06/17
2022
梅雨の水入り
2022年06月17日(金)
中之条花楽の里
最新の開花情報をお届けします
2022
2022年06月17日(金)
中之条花楽の里
関東も梅雨入りし連日雨が続いておりますが、今日は久々に晴れ間が広がっています。この週末は好天に恵まれそうですが、来週からはまた雨が続く予報ですね。もう「水」はたくさんですが、梅雨どきの一瞬の水入り期間を楽しみたいところです。
さて、エーデルワイスが気になるお客様が増えてきました。昨年に山の上で買った苗が花開いてきたので見に来たというお客様もいらっしゃいましたが、現在の状況はこのような感じです。
昨年7月の長雨と霜、そして6月に入ってから延々続く雨と日照不足によって、だいぶ遅れ気味な上にダメージを受けてしまっています。ぼちぼち咲いてはおりますが、昨年のように花一面という感じにはならず、まばらな状態が続いていますので、恐らく今年はこの程度で終わるかも知れません。実際のところはどうにも予測不能なのですが・・・
元々乾燥した環境に咲く花ですので、昨今の気候変動による日本の湿気の多さにはそろそろ耐えられなくなっているのかも知れませんね。私たち人間がここからエーデルワイスにできることは何もありませんが、「せっかく見に来たのにガッカリ」と思われてしまうのは心苦しいので、せめて現状を正確にお伝えし、花一面を期待されている方々の時間の無駄にならないようにしたいと思います。
一方でガーデンの方は本格的な時期に突入です。
つい昨日、ポール・スミザー氏が手掛けた軽井沢にあるムーゼの森のピクチャレスク・ガーデン(とフェアリーテイル展)をどうしても見に行きたくなり足を運んだのですが、そちらも本当に見事なナチュラルガーデンでした。ようやく新年が始まったかのような気分です。
黄金葉が美しい品種のアメリカテマリシモツケにはミツバチや蝶たちが群がり、採蜜に余念がありません。
その近くにはゲラニウム・サンギネウム:アルバとトロリウス:ゴールデン・クイーン、足元にはハナクルマバソウが控えめに咲き始めました。
コモン・マロウはハーブティーにしてレモンを入れると、青から紫、そしてピンクへと変わり、最後には透明になるというとても不思議な性質を持つことで人気です。残念ながら山の上のカフェ・レストランでは提供しておりませんが、機会がありましたらぜひ試してみてください。
ちなみにこいつは庭園内のあちこちにいますので、かなり長い間その花姿を見ることができます。あまりに目にするので「ここはいつかマロウ庭園になりそうだ・・・」と思うくらいです。
ロニセラ:ゴールドフレームと、ロニセラ:ドロップモア・スカーレットも、今期最初の盛りを迎え始めています。こちらは条件が整えば、秋にも二番花を咲かせたりします。
二番花と言えばクレマチス。レストハウス前ではロウグチが、ガーデン内のトンネルではモンタナ種が咲き始めました。
サンショウバラも盛りを迎えています。近づくと虫たちの羽音が凄まじいので躊躇しますが、彼らは目の前のごちそうに夢中で、人間のことなど気にも留めません。襲われたりまとわりつかれることは無いので、安心して鑑賞してみてください。
向かいにはジャイアント・キャットミントが濃紫の花を咲かせ、更に奥ではアストランティア:ルビー・ウェディングが宝石のように花を開いている最中です。
どこで撮ったのかわかりませんが、サルビア・ネモローサ:カラドンナもいました。どこにいたんだろう?
ニガナとオニタビラコの雑草コンビは誰かの目に留まるのでしょうか? 花の大きさは1~2センチ程度ですので、目に留まった方は愛でてあげてください。
最後は、海でも見ましょう。
「山の上に海なんてあんの?」と思われるかも知れませんが、なんならほぼ実物大のクジラの頭があるので、今更何をおっしゃるやら。
というわけでガーデンではオラルヤ:ホワイトレースの海が、頂上付近ではフロックス:ビルベーカーの海が見れます。
実際のところは海というよりは池ですが、どうしてもクジラネタがやりたかったので、お見逃しください。
というわけで、ガーデンも全体が私の腰から胸の高さになってきました。あと一か月もすれば私の背(172センチ)を軽く超えてくるので、さながら緑の海に潜っていくような体験をすることになります。本格的な季節の到来を誰よりも喜んでいるのは鳥でも虫でもなく、実は私かも知れません。
ではまた来週!